口は災いの元
雉も鳴かずば撃たれまい
こんな言葉を知っていますか?
実はこれどちらも、「余計なこと言わない方が自分のためだよ。」って言っています。 ことわざというのは、人生を楽にする知恵です。 ことわざの中で、「余計なお話はしない方がいいよ。」って言われているのは何故だろう? どうして言葉が災いに繋がるのか…。
今日は特別にその秘密を教えましょう。 … それは、 人の口からは、鬼が生まれる からです…。 鬼、というのは言葉の綾ですが、このお話は仏教の口で犯す罪『四悪』に基づいて現代風にアレンジして作っています。 みんなの口からも、毎日のように生まれているその鬼たちを、今日は紹介しましょう。 --------------------------------------------------------------------------------------------- 松本「ねーねー、ドッヂボールしよう!」 菊地「いいよーー。えい!」
松本「えい!」 菊地「えい!やったー当たった!」 松本「当たってないよー。」 菊地「えっ?まぁいっか。えい!よし当たった!」
松本「当たってないよー。」 菊地「えぇー⁈」 … 松本さん当たってたのに、当たってないって言ってます。 そう、口から生まれる鬼の1つ目の正体、それは嘘。 紹介しましょう。 嘘をつく鬼
嘯(うそぶき)です。
こいつは、そのテレビ見てないのに見たよって言ったり、本当は手洗ってないのに洗ったよ、なんて言う子の口から、ポンポン生まれてきます。
誰も嘯(うそぶき)の言っていることを本気で聞かなくなっちゃうんです。
さー、続きを見てみましょう。
--------------------------------------------------------------------------------------------- 松本「ね、菊地さん。やっぱりキャッチボールやらない?」
菊地「あーー私はそういう子どもっぽい遊びはやりません。キャッチボールってつまんない遊びですよ。」 … 菊地さんは、キャッチボールは子どもっぽいって言っています。 子どもっぽいって言うってことは、自分だけは大人だもーんって言ってるのと同じ。 口から生まれる2つ目の鬼の正体、それは見栄。 では紹介しましょう。 見栄を張って生きる鬼
A(氏)美絵(ええかっこしみえ)です。 この子は、人が楽しくしている時に、「いい年してはしゃいじゃって、子どもっぽーい。」とか、「その工作くだらなそうねー。」なんて、斜に構えて自分だけいいカッコしようとする鬼です。 誰も美絵のことが一番カッコいいだなんて思ってないのにね。 ではまた劇の続きを見てみましょう。 ---------------------------------------------------------------------------------------------
菊地「えい!」 松本「痛たっ!くっそー。」 菊地「いぇーい!めっちゃ弱い!最弱!」 松本「…ねーもうドッチボール止めよう。」
菊地「は!逃げるのか!この弱虫め!毛虫め!」 … 弱いとか毛虫とか言ってました。 これでは、相手を傷つけてしまうよね。 そうです、3つ目の鬼の正体は、悪口。 いつも思ったことをすぐに口にし、他人を傷つける鬼
悪口(あっく)です。
「えーその絵めっちゃ下手じゃん。」「志賀さんってデブ白髪ジジイだね。」なんて言葉を使う子の口から生まれます。
みんな、悪口(あっく)とは遊びたくなくなっちゃいますよね…。
さー、これの他にもまだ、鬼はいます。
--------------------------------------------------------------------------------------------- 松本「じゃー俺止めるね。」 菊地「はいー脱落ー。ごくろうさーん。」 志賀「ねー、菊地さんってなんであんな乱暴な言葉遣いするんだろうねー。」 松本「ホント、嫌なヤツだよねーー。」
志賀「ねーねー、松本さん菊地さんのこと嫌なヤツって言ってたよ。」
菊地「むーーー!ムカつくーー!」
今、志賀さん、味方みたいな顔して2人に近づいて、2人が喧嘩するように差し向けたように見えました。 こういう、あっちでこっちの悪口、こっちではあっちの悪口を言う人のことを、二枚舌と言います。 さぁ、最後の鬼の正体は、二枚舌です。 では登場してもらいます。 あっちとこっちを仲違いさせる鬼
両舌屋チクリ(りょうぜつやちくり)です。 チクリの名の通り「先生、〇〇くんがちゃんと手洗ってません。」なんて言いつけをするのもコイツの仕業です。お友達を先生に怒ってもらって自分はそれを楽しんでるんでしょう。 チクリには、本当のお友達ができないんだそうです。 --------------------------------------------------------------------------------------------- さー、この4つの鬼が、口は災いの元と言われる原因です。
この鬼達は、毎日みんなの口からポンポン飛び出しています。 鬼が生まれると、災い、つまり喧嘩や憎しみ、悲しい人がたくさん出てきてしまうんです。 みんなに、お友達にあの言葉言わなきゃよかった、お母さんにあんなこと言ったからすごく怒られた、っていう口から生まれた悲しいお話を聞きました。 「パパに、バカって言った。」 「私は毎日鬼生んでるー。」
言葉の使い方を間違えたことで、喧嘩したり怒られたりした経験は、誰にもあるようです。
じゃーみんなは、どうしたらいいと思いますか? 喋らないように生活しましょう、なんてことはありません。 みんな自由に喋っていい! けど、鬼が生まれてしまったら、 自分で気づけるようになれるのが一番いいと思います。
「あ、今 悪口(あっく)が出てあの子を傷つけちゃったかな。」 とか、
「私の美絵がまた出てきて場をシラけさせちゃった ☺︎」 なーんて。
鬼たちは、実は注目されるのが苦手です◎ みんながその存在に気づけば、自ずと逃げて行きます。 気づかずに野放しにしておくと、増えていっちゃうんですよ。 口から生まれる鬼、みんなで減らしていけると、自分も周りも楽しく過ごせるかも知れません。
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